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Twitterからのまとめ

夏休み

「夏休み」


半分も開けてないまぶたのもやのかかった視界の
まだ夢のなかのここからはだしの足が見える
つま先立って歩くというより忍び寄るような足取り
また目を閉じて
冷蔵庫が開く音をグラスに液体が注がれる音を
もう夢のなかのここから浮腫んでる顔が見える
泣きはらしたというより不機嫌になっちゃって
タオルで暖めたり冷やしたり


半分も過ぎてない夏休みの雲のかかった空の
まだ夜のなかのここからはだしの足が見える
嬉しいときのスキップがうまくできなくて爆竹をよけて跳ねるみたい
またノートを閉じて
蝉時雨降る音をスイカを二つに切る音を
もう大人になったここから真っ黒になった顔が見える
日に焼けたというよりどこかの国の子供になっちゃって
絵日記の天気あとで困ったり


涼しい明け方の空気をいっぱいに吸う
始まる一日にわくわくするあの夏の笑顔はだれ
吸い込む空気は心地よく胸を洗うのに
始まる一日にかなしくなるこの夏の笑顔はどこ
吐き出すときにどうして涙が出るんだろう


半分ずつ狭いけど分け合ったベッドのあしもとに
わだかまるように湿ったタオルケット
湿っていても寒ければそれに手を伸ばす
がまんできれば眠ってやり過ごす
肌寒いのに気づいて欲しいのに
がまんできれば眠ってやり過ごす
いくらでもタオルケットぐらい買えるのに


甘い匂いの湿った空気をいっぱいに吸う
触れる指先にわくわくするあの夏の笑顔はだれ
吸い込む空気は心地よく続きの夢に誘うのに
触れる指先にかなしくなるこの夏の笑顔はどこ
吐き出すときにどうして涙がでるんだろう


半分だけ短いけど分け合った夏休みの隙間に
忘れてしまう直前のおもいで
寒いのに気づいてそれに手を伸ばす
がまんできれば眠ってやり過ごす


いくらでもおもいでぐらい


忍び寄る足取りで隣に滑り込んで
眠ったふりでいつか眠る


自分にだけおやすみをいう夏はいつまで