〜20190515
その背の骨に
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月21日
じわりにじむ
汗の甘い香り
知っているよ
食事のあとで
いただきます
遠くから夏の夜の気配
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月21日
夜はまだ冷えて
それでも夜のむこうの夜に
夏が混じっている
少し寒いパジャマを
毛布で包み抱いて眠る
昼間の熱で熱が出る
指を冷やすように
寒くないように
きみの冷蔵庫のチョコレートが
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月21日
なかなか無くならない季節
僕はこっそり二粒食べた
バレなくてもバレても
二人してきっと笑う
冬まで遊べる?
ねえ、なんだか
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月21日
花火の幻聴がするよ
朝顔の産毛まで幻視できるよ
たまにはビールでも飲む?
猫に風の通り道を
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月21日
ぼくの愛の道を
あなたは泣いて静かに泣いて疲れたと泣いた
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月23日
そして泣いてやはり静かに泣いてごめんねと泣いた
帰りたいところがないのと泣いて泣きながら帰った
僕がどれほどあなたを好きか知っていて泣きに来て泣いて
僕のことなどすきじゃないとばかりに家に帰っていく
帰りたくないのに泣いて疲れに帰る
すきなのに
あなたを奪うほど好きじゃないよと愛が言う
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年4月23日
もうだめだ、って気持ちがどんどん深くなる。あなたのことを考えてふと微笑んで足元を見ると、僕の両足はまたもっと深いだめなところに埋まっている。あなたを思う。たぶん千切れるように傷んでいる。でも僕はもう這い上がらなくていいからそのままにして、またふとあなたを思う。僕のただ一つの光。
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年6月29日
死んでいるようにいきたい。せめてしんでるみたいに行く。
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年6月29日
月の夜に会おう
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月10日
猫の爪のように細い
麦の粒のように太い
すぐに忘れてしまうような
ありふれた夜
そうじゃなければ
月だけを思い出すようなーー
枯れ葉を蹴って歩いていた
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月10日
ぼくは今日
枯れ葉を蹴って歩いていた
うつむいて
いつもどおりうつむいて
今日もいつもの道を
進むでも戻るでもなくただ
足を出していた
枯れ葉を蹴って
季節が音を立ててくる
ぼくに知らせてくる
うつむいてばかりいても
なぜ、ぼくとだれかということ、
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月10日
例えば、ぼくときみということに、
名前を付けたりするのだ。
ぼくの誠実は
平気であの日々以外を
滅茶苦茶にするのに。
僕を大事と思うなら、黄色い線の外側までお下がりください。ぼくの乗りたい電車はこない。ここで起きてここで眠る。
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月10日
使いかけのあの冬のハンドクリームが、まだあの引き出しにあることを知っているんだ。
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月17日
あれがふわりと香るのも僕は知っている。蓋を開けなくても、包まれることができる。
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月17日
少し油の回ったドーナツと薄いコーヒーって馴染んだセフレに似てない?
— 江月 游 (@u_ezuki) 2018年10月20日
絶望的に向いてない、生活することに。
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年4月6日
冷蔵庫の奥から
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月11日
いつのか分からない
誰からのかだけ分かる
チョコレート
新緑。
指でデコレーションを融かし
台無しにしてから食べる
おぼろな満開を
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月11日
花びらを
忘れてしまう
ああなんて見事な緑の木々
強い日差しに
めぐることまで忘れてしまう
美しく柔らかな
迷いのない新しい緑
明日の雨を知れ
さぁもっと濃く強くなれ
生活は針の穴を通すような投球を続ける投手のように続く
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月11日
暴れる脳の、不意の静寂
まるで暑かった日に思いがけなく冷える夕暮れかのような
絶望の底に星が降る夜もある
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月11日
月影が過ることも
繰り返し繰り返し思い出す
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月11日
耳に残る甘い蜜が
他の全てを遮る
幸福な孤独
細い感嘆をこらえきれず洩らす
その腰を深く抱いた
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月11日
接吻(くちづけ)までもした
愛し合うということの終わり
レースの切れ端の小花らが
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月15日
秘密の話をして笑い合う
濃い青の下
潤沢な碧の上
やわやわと 風
時にしならされ
またそれも笑いを誘って。
川面に透ける水草の
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月15日
なんて涼しげでやわらかい
見るより冷たい水中で
それでも日を受けて
伸び伸びとゆるやかに
静かに熱量を産み消費し
食われ護り機が来れば絶え
あんなふうに暮らせたら
ごうごうとした
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月15日
高架下で
それはすこし嫌い、
と呟いたりもした
5月になれば仄かに汗が交じる
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月15日
あなたのそれが好きで
何度も何度も飽きもせず
斜め後ろから首筋を噛み
じゃれついては笑われた
向こう側にあった
ジャスミンと交じるそれ
まだ踏切がある通り
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月15日
わざと選んで
遮断器の間に
君の手を取った
指先に うたを
— 江月 游 (@u_ezuki) 2019年5月15日